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5月10日付
出材全品目で品薄高に〜西垣・名古屋「周年感謝セール」、現場への影響も懸念
西垣林業・名古屋市場(名古屋市瑞穂区桃園町、中村智幸市売部長)は4月21日「周年感謝セール」を開いた。118社の買い上げにより、売り上げは前年比32%増の1億3400万円、平均単価は立方b当たり7万4000円、来場者は35人だった。
木材の品薄は全品目に及んでおり、入荷材はすべて売れていく状況。問屋は予約品の供給にも苦労しており、市のために用意した材は完売した。
単価は全品目で強含み。今後さらに上昇する可能性が高い。平均単価は前年を下回っているが、倉庫に残っていた安値の材まで売れるためで、こうした材が一掃されれば単価は上昇するとみられる。
ただ昨今の引き合いの増加は好景気によるものではないため、木材不足が長期化すれば工事休止や住宅の受注停止なども懸念される。市場の在庫も減少しており問屋、買方ともにひっ迫感が強まってきている。
4月29日付
枝打ちロボット「eddy(エディ)」を開発〜イー・バレイ、省力化、木材の価値向上に貢献
イー・バレイ梶i名古屋市昭和区、池田徹弘社長)はこのほど、枝打ちロボット「eddy(エディ)」=写真=を開発、商品化した。
同社は機械設計、電気電子回路設計、基板設計、ソフトウエア開発などによる企業への技術支援や、自社製品の開発を行っている。
大学とロボットの開発・研究を進める中で日本の山で枝打ちが行われていない現状を知り、同社が培ってきたロボット技術を駆使して労力を軽減できれば枝打ちが再び行われ、木が良好に育ち、木材の価値を高められると考え、枝打ちロボットの開発に着手した。このほど構想から約8年、社内で本格的に開発を始めてから4年で完成にこぎつけた。
「エディ」は幹にセットし、リモコンでスタートさせると、途中のこぶなどを回避しながら枝下まで真っ直ぐ上り、枝に到達すると付属のチェーンソーで自動的に切り落とす。
枝を切る範囲などを事前に設定可能で、作業を終えると自動で降りてくる。1本の木に要する作業時間は2〜3分。2台用意し、1台が作業する間に、もう1台を幹にセットするなど交互に使用すると効率的で、1日に1台で60本程度の枝打ちが可能としている。
リモコンにはGPSが内蔵され、位置情報や幹径などの情報が記録でき、木材トレーサビリティ(生産流通情報の把握)システムの構築に役立つ。
価格などは調整中。秋口に本格的な販売開始を予定している。
4月26日付
早生樹で短伐期、安定供給を〜静岡で講演会、市民ら60人が参加
森林環境を整備し、SDGsに貢献しようと、「早生広葉樹の育成と活用」をテーマにした講演会が14日、静岡市葵区の県護国神社で開かれた。ボラティァ団体の静岡けやきライオンズクラブ(鳥巣誠一会長)が主催、静岡県、静岡市、静岡県家具工業組合などが後援。林業家だけでなく一般市民を含め約60人が参加した。
後援団体を代表してあいさつした金原隆之氏(鰍ォんぱら会長)は「森を育てることは空気、水をきれいにする。私は広葉樹の中でもセンダンの植樹活動を進めているが、成長がスギの2〜3倍早く価格も4倍以上が期待できる」と述べた。
講演はパナソニックライフソリューションンズ創研鞄チ別上席コンサルタントの中ノ森哲朗氏が「日本の林業経営と木材活用について」、熊本県林業研究・研修センター育林環境部長の横尾謙一郎氏が「国産早生広葉樹センダン・15〜20年で収穫の魅力とパワー」をテーマに、各1時間余り行った。
中ノ森氏は林業経営の体質改善に向けたコンサル活動を実施している立場から、林業での利益確保や事業拡大が重要と指摘。さらに「林業は追い風が吹いている成長産業。スギやヒノキの価値を見える化し、付加価値をつくっていく必要がある。また成長の早い広葉樹を増やすことで森を育て、短伐期林業の経営をめざそう」と提言した。
横尾氏は早生樹・センダンの優位性を説明し「成長が早く、15年で樹高20b、胸高直径90aになる。家具材や内装材として、ケヤキやキリの代替材に期待できる。今後の安定供給のため施業技術の開発や経済性の検討が必要」と述べた。
4月22日付
資材不足に苦慮、受注制限も〜愛知木造住宅プレカット協議会が総会と情報交換会
愛知木造住宅プレカット協議会(近藤智昭会長、会員15社)は19日、2021年度通常総会を名古屋市中区大井町のハピカル大井で会員ら20人が参加して開いた。冒頭、あいさつに立った近藤会長は「米材を中心に資材高騰、品不足と予想もしなかった状況になっている。前回の役員会の時点では値上げ要請が通りにくかったが、3月以降は資材の高騰と不足が顧客に伝わり始め、少しずつ価格訂正が進んでいる。本日は各社の営業担当も参加しているので、それぞれ現場の意見を出して情報交換したい」と述べた。
総会では20年度事業報告、収支決算、21年度事業計画などがすべて原案どおり承認可決された。
続いて会員各社からの近況報告と協議が行われた。
各工場の3〜4月の加工実績は順調に推移している。ただ米材、欧州材の構造材、羽柄材の不足が深刻になっており、他地区の大手プレカット企業も受注を制限し、仕事を断って生産調整を行っているとの話が聞かれる。
同協議会でも資材不足から5月以降の加工実績が縮小すると見込む会員工場があった。
会員各社は現在、受注済みの仕事でも、その相手方と米マツ、ホワイトウッド、レッドウッドなどから国産材スギ、ヒノキ、集成材などへ樹種変更することや価格訂正の交渉を進めている。
さらに材料を懸命に集めても先行きの欠品が予想されることから既存の顧客を優先するとともに、納期の変更などに対応してくれる取引先を選別する傾向が強まっている。
この先も米材や欧州材の品薄はしばらく続くと予想され、請負価格や加工賃の引き上げが避けられないという声が聞かれた。
4月19日付
今年度新入社員29人が参加〜名木組、NMSの「木材業界講習会・歓迎会」
名古屋木材組合(西垣洋一組合長)主催、名古屋木材青壮年会(NMS、鈴木善一朗会長)主管の2021年度「名古屋木材業界新入社員歓迎会・講習会」が9日、名古屋市中区の木材会館で開かれた。参加した新入社員は男性19人、女性10人の計29人。
歓迎のあいさつで西垣組合長は「SDGsやカーボンニュートラルで木材は見直されている。日本の木材業も世界へ羽ばたける段階になった。コロナに負けずにがんばってほしい」と述べ、社会人の心構えとして、幕末の志士である橋本左内が15歳の時に記した「啓発録」を紹介した。
新入社員代表で桑原木材鰍フ沓間美奈氏が「学生時代の経験を生かし、楽しく充実した毎日を送り、一日も早く期待に沿える社会人になれるよう精進する」と抱負を述べた。
次にオリエンテーションとしてNMSの野間隆宏2020年度会長が木材業界の概要を説明。第2部の講習会ではインストラクターの矢田美保子氏が「新社会人のためのビジネス・マナー」と題して講演した。また、NMSの保坂将光副会長が「木材の基礎知識」、名古屋木材健康保険組合の久田高祥氏が「健康保険のABC」について、それぞれ解説した。
4月15日付
出品減も積極手当てで盛況〜岐阜銘協の「春季特市」、売上げ前年の1.7倍に
岐阜県銘木協同組合(岐阜市茶屋新田、吉田芳治理事長)は8〜9日、「春季特別市」を開いた。新年度から市売の日を第2木・金曜日に変更したため、前月市から日が浅く、出品は製品2124口、原木549口と、前年同市比で2〜3割減少した。また感染拡大が続く中で、参加者は2日で延べ190人と少なかった。
ただ参加者の手当て意欲は強く、仕入れ姿勢は積極的で、売り上げは製品が6020万円、原木3530万円、計9550万円と前年比1・7倍に伸びた。
外材の高騰の影響で国産材の騰勢も際立ってきている中、銘木分野がこの影響を受けているとは言えないが、丸太、製品とも品薄状態で良材への引き合いが強まっている。
製品は人気材に手当てが集まり、高値で買われた。クロルウォールナット5メートル板40万円、ケヤキ4・5メートル板50万円、サクラ2メートル板28万円、チーク5メートル板25万円、トチ2メートル板20万円、ヒノキ5メートル板35万円など高値が目立ち、全体の売り上げを引き上げた。
原木は人気が続くトチが立方メートル当たり100万円(2・6メートル×76センチ、写真)、90万円(4・4メートル×92センチ)を筆頭に40〜60万円が続出。本代210万円(3メートル×120センチ、4・32立方メートル)や100万円台が目立った。ほか、クリ(5・4メートル×46センチ)が立方メートル当たり17万円、サクラ(4・2メートル×64センチ)22万円、カエデ(4・4メートル×56センチ)14万円、クス(2メートル×106センチ)18万円など良材に高値がついた。
一方、ケヤキの引き合いは依然弱く、本代188万円(7メートル×94センチ、6・284立方メートル)のほか、立方代で14〜17万円だった。
次回は5月13〜14日に「若あゆ特別市」が行われる。
4月12日付
外材の品薄懸念し活発手当て〜平野木材「広葉樹市」、タモなど人気、高値
平野木材梶i岐阜県各務原市須衛町、平野健一社長)は7日、「広葉樹市」を開催。午前8時から丁物・半製品のセリを行った。
広葉樹は新材シーズンが終了して手当てが落ち着く時期だが、今回も広範囲から多数の買方が来場。手当て意欲は高く、活気のあるセリとなった。
世界中のコンテナ不足、ロシアの丸太輸出禁止の発表などから建築資材の針葉樹同様、広葉樹でも外材の供給不安が生じていることから、外材が人気で全般に高値となった。
主な出来値は外の土場が、ケヤキ盤2・5メートル×86×7センチの10万円をはじめ、良材が8〜10万円、主流が6万円前後。ブラックウォールナットは2・4メートル×70×7センチが6〜8万円。珍しい樹種では南洋材のチソラソン盤6・4メートル×80×9センチが20万円の高値を唱えた。
タモはグレードを問わず価格が上昇し、引き合いも強まっている。ロシアの発表の影響とみられる。
倉庫内の良材はポプラ杢の盤(形が不規則でサイズ出せず)が15万円前後と今回も人気を集めた。ほか、ゼブラ盤5メートル×70×7・5センチ13万円、ベリ盤5・2メートル×82×8センチ15万円、ケヤキ盤は2・3メートル×120×7・5センチの17万円をはじめ、13〜15万円だった。
次回市は5月12日に開かれる。開市は午前8時。
4月8日付
品薄に危機感、競りで積極手当て〜東海林材「64周年市」、完売、単価強含み
鞄穴C林材市場(愛知県豊橋市、小杉智一郎社長)は4日、「64周年記念市」を愛知県新城市の同社中間土場「ログステーション鳳来」で、地元三河産材約650立方メートルの出品により開いた。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で通常市に変更したが、今年は予定どおり行った。
開市前に小杉社長があいさつに立ち、外材が入手困難になっており、材料不足で受注制限を行うプレカット工場が出始めたこと、代替として国産材の引き合いが強まり、単価が上昇していることなどを説明し、しっかり買ってほしいと全量の買い上げを促した。
買方は品薄への危機感が強く、活発なセリとなった。早い展開で順調に競り落とされていき、短時間で全量を完売した。
単価はヒノキ、スギとも強含み。主な出来値は、ヒノキが4メートル×40センチ8万円、良材7万5000円前後、4メートル中目から尺上2万3000円前後、並材1万9000円前後、3メートル柱取り1万7000〜1万9000円。スギは高齢級良材が3万〜4万5000円、主流の中目から尺上1万5000〜1万8000円、並材1万2000円だった。
4月5日付
多様な樹種に活発手当て〜大阪銘協「なにわ銘木大賞祭」、クリ、屋久スギなど人気
大阪銘木協同組合(大阪府摂津市、吉本登志貴理事長)は3月24〜26日、「第15回なにわ銘木大賞祭」を大阪府、摂津市の後援で開いた。出品量は製材2750点、製品650点、計3400点。全国から延べ250人が来場し、活発なセリ売りを展開した。
製材はケヤキ、クリ、タモ、イチョウ、ホホ、外材はウォールナット、モンキーポッド、チークなど多様な樹種が出品され、全般に売りやすかった。特にクリの厚盤、割材は人気で約8割を成約。ヒノキ厚盤なども良く売れた。外材はウォールナット、モンキーポッドの厚板が売りやすく単価も好値だった。ケヤキの大黒柱には売りづらさがあった。
製品は杢天井板、屋久スギ腰板、北山産絞丸太、唐木の厚板などを集めて売り立てた。天然丸太、彫柱は需要低迷から入荷も少なく低調だったが、スギの幅広板などは売りやすく、高知県から出展された天井板、屋久スギ腰板は活発な引き合いで約9割が落札。屋久スギ製品も全般に人気で、高値で買われた。
受賞者は次のとおり。
【なにわ銘木大賞賞】ウォールナット長尺厚板(岩田木材梶j
【大阪府知事賞】ケヤキ厚板(DMB東海建材梶j▽ウォールナット長尺厚板(岡崎製材梶j▽スギ杢天井板(拠J口製材所)
【摂津市長賞】ケヤキ厚板(渇ヘ合銘木店)▽ポプラ板(マルタ製材所)▽屋久スギ盤(泰山堂)
【全国銘木連合会会長賞】トチ厚板(大金工務店)▽タブ長尺厚板(鰍ミなもり銘木)▽スギちりめん絞丸太(樺西銘木)
4月1日付
外材代替、国産材も品薄進行〜西垣・名古屋「満62周年市」、2.3億円、前年上回る
西垣林業・名古屋市場(名古屋市瑞穂区、中村智幸市売部長)は3月24日、「満62周年記念市」を開いた。147社の買い上げにより、売り上げは前年比3%増の2億3200万円、平均単価は立方メートル当たり8万2000円、来場者は110人だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で当初予定の3月3日から24日に変更しての開催だったが、来場者数、売り上げともに前年同市を上回った。
開市前の式典で西垣貴文副社長が「SDGsなどで木材に注目が集まっているが、木材業として動きを感じるほどではない。そこで女性や学生との協働により、会議室の内装木質化を行った」と同市場の会議室の木質化プロジェクトについて説明した。
国産材は、外材の高騰と品薄で代替として注目が集まっていることから、流通やプレカット工場から引き合いが急激に増えている。元々、原木不足による品薄だったこともあり柱、土台などの一般材は取り合いに近い状況で、入荷次第売れている。問屋では既存の顧客を優先しているが、品薄が深刻になってきている。
今回市でも一般材は早々に売り切れ、午後からのセリは役物や一枚板などの販売に終始したが、これらも完売して久しぶりに盛況といえる市となった。
単価は強含み。流通には値上げに抵抗する動きも一部であるが、単価を上げないと入手できない状況になっており、今後の値上げは必至とみられる。
3月29日付
「SPF高騰」対応に温度差〜2×4コンポーネント企業にアンケート
カナダ産SPF材の4〜6月期の輸入価格がJグレードで1000j(1000BM)超、前期比4割の上昇を示し、歴史的な高値が進行している。こうした状況を2×4コンポーネント企業はどう受け止めているのか。本紙はこのほど東海地区の関係10社に緊急アンケートを実施した。2×4コンポーネント事業は利幅が薄く、原材料の高騰は事業継続にかかわる非常事態だ。ただ企業の事情はさまざまで、「販売価格の上げしかない」との認識は一致するが、その受け止め方や今後の対応には温度差もみられた。(文責編集部)
アンケートの概要は次のとおり。
【現在の原料在庫、受注状況】元々、3月は受注が減る時期で、ほとんどの企業が厳しい状況と回答。特にアパート物件の減少が著しい。賃貸住宅大手の仕事を多く手掛ける企業ほど、受注減に苦しんでいる。ある程度の仕事量を有する企業でも例年の5〜7割で、多くが4月以降の見通しが立たないと回答している。一方で春以降の仕事量は「微増」、「回復傾向」とする企業も複数みられた。
原料在庫は1カ月分を基準とする企業が多く、値上げ前のランバーは4月までに使い終え、5月以降は仕入高の原料となる。スタッド、12フィート2×4など主要アイテムの不足が目立ち、他サイズで対応している。
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3月25日付
原木良材に活発手当て〜岐阜銘協で「銘青連・全優展」、トチ丸太に立方メートル200万円
岐阜県銘木協同組合(岐阜市、吉田芳治理事長)は15〜16日、「第39回銘青連・全国優良展示大会」を開いた。出品口数は製品3290口、原木891口と、前年同時期の特別市に比べて減少したが、各地から優良材が集荷されたことで参加者の買気はおう盛だった。
農林水産大臣賞のケヤキ丸太(3・2〜4・2メートル×120〜150センチ、14・058立方メートル、写真左)が本代1100万円、林野庁長官賞のトチ丸太(3・6メートル×92センチ、写真右)が立方メートル当たり220万円など高値が相次ぎ、売上高は製品1億6000万円、原木9000万円、計2億5000万円と、前年を約3割上回った。
参加者は延べ400人と、これまで同銘協で開催された同展に比べると少なかった。それでも売り上げが伸びたのは「良材を必要とする参加者が集まったため」(実行団体)とみている。
製品ではケヤキ、トチ、ウォールナットなどの挽き材が人気の主流。神社仏閣など大型建築物向けの引き合いが少ない中、構造材より造作内装材、家具向けに関心が集まり、ケヤキ長板55万円、同厚板25万円、神代スギ長板65万円、ポプラコブ板25万円、ウォールナット板33万円など高値で競い買いされた。
トチ板2メートルは上杢板の43万円を筆頭に10万円前後の材に引き合いが強く、売れ行きは好調だった。ほか台湾ヒノキ、屋久スギ板の良材が人気を集めた。
原木は長官賞のトチの立方メートル当たり220万円ほか、大臣賞のケヤキに本代1100万円、長官賞のカヤ(8メートル×88センチ、6・48立方メートル)に本代150万円、中部森林管理局長賞のサクラ(6・2メートル×70センチ)に立方メートル当たり140万円、県知事賞のクス(8・6メートル×90センチ)に27万円、ヒノキ(4メートル×74センチ)に30万円、クロガキ丁代に35万円など、高値での手当てが相次いだ。
主な表彰材・出品者は次のとおり。
【農林水産大臣賞】ケヤキ玉杢丸太(山信銘木)
【林野庁長官賞】ケヤキ丸太(葛g田製材所)、トチ縮杢丸太(牛楓リ重建)、カヤ丸太(山長銘木)、ケヤキ盤(栄銘木店)、サクラ丸太(給e地林業)、ケヤキ丸太(渠ム野木材)、ケヤキ長盤(渇ヘ合銘木店)、ケヤキ杢盤(加藤銘木)、ケヤキ厚板(高田木材T&K)
3月22日付
品薄で並材に強い引き合い〜東海相互・西部「期末謝恩S」、前年上回る1.2億円
東海木材相互・西部市場(愛知県飛島村木場、鈴木善一朗市場長)は16日、「期末謝恩セール」を製品5960立方メートル(外材除く)の出品量で開いた。184社の実買い上げにより国産材1440立方メートル、外材450立方メートルが買われ、売り上げは前年を17%上回る1億2200万円だった。平均単価は国産材が立方メートル当たり6万1000円、外材が6万4000円、来場者は57社。
来場者数が前年を下回り、当日の雰囲気は模様眺めで、セリ売りの役物や銘木類は売りづらい状況だった。ただ外材の品薄・急騰に加え、国産材も品薄傾向が続いていたことから並材への引き合いが強く、ヒノキ、スギの柱、ヒノキ土台などは入荷後すぐに売れていく状態で、これが売り上げを後押しして金額、材積とも前年同市を上回った。
単価は強保合。川上が今後の品薄、供給難を通達しても川下の危機感が薄く反応が鈍いため、なかなか価格は上がらない。ただ外材、国産材を問わず品薄解消の見込みは当面ないため、徐々に単価は上がってくるとみられている。
4月27日に「開設満16周年記念市」を開く予定。
3月18日付
林業無人化技術の実証試験〜岐阜県森林文化アカデミー、急斜面作業などの安全・省力化に寄与
岐阜県森林文化アカデミー(岐阜県美濃市曽代、涌井史郎学長)は11日、林業用無人化技術の開発に向けた実証試験を岐阜県白川町和泉地内の森林で実施した。
現在、林業の労働負担の軽減や労災防止、作業の効率化を図るため、各作業の機械化が推進されている。ただ地ごしらえや植林、下刈りはまだ人力で行われることが多い。
同アカデミーは昨年9月、無人化技術の開発に向けた現地検討会を実施。課題の洗い出しと計画書を行い、治山工事などを手掛ける丸ス産業梶i白川町、藤井紳二社長)に同技術の開発を委託していた。
今回の実証試験ではまず地ごしらえで伐採後に残された根株を処理する作業について、現場が急斜面だった場合に無人掘削機を用いる方法を実演した。
無人掘削機をワイヤーでつり下げて作業エリア内の移動を可能とし、操縦者は安全な場所からリモコンで操作して掘削機にドリル状のアタッチメントを取り付け、根株を粉砕した=写真。
大径材の根株は何度かドリルを押し当てる必要があること、逆に灌木(かんぼく)など細い根株はドリルが刺さりにくく粉砕しきれないことなど課題は残るものの、従来は根株粉砕機が入れなかった急斜面での利用が十分に可能といえる結果だった。
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3月15日付
良材人気、堅調な応札〜静ツキ「静岡優良ツキ板展」、11月に「全ツキ展」開催予定
静岡ツキ板協同組合(深城恵浩理事長)は8〜9日、「第64回静岡優良ツキ板展示大会」を静岡市駿河区曲金のツインメッセ静岡南館で、447点の出品により開いた。
入札前に全天連の松尾和俊会長(空知単板工業且ミ長)があいさつし、同社では昨年末に発生した火災からの復旧が順調に進んでいることを報告。さらに昨年はコロナ禍により中止となった「全国優良ツキ板展」を11月に開催すると発表した。
続いて深城理事長は「ロシアからの丸太輸入が来年以降、ストップするのをはじめ、木材の輸入状況が厳しく軒並み高騰している。価格が下がる見通しがつかないため、今あるものをしっかり仕入れてほしい」と述べた。
丸太の供給不安やコロナ禍による先行き不透明感から買方の姿勢は慎重で元落ちも多かった。ただ良い商品は活発な応札があり、好値で落札される堅調な展開だった。
結果、270点が買われ、売り上げは6660万円と前回並みを確保した。
主な出来値は、ウォールナットが大台を唱えた平方メートル当たり1115円の柾をはじめ、板目で430〜555円と好値。チーク柾は700円を筆頭に600円前後、ケヤキ柾は620円、クルミ柾は550円と好値だった。タモは柾の430円をはじめ主流は255〜300円、板目が180〜230円。ナラは柾が305〜335円、板目が230〜330円だった。
3月11日付
北洋タモ人気で強含む〜名国協「土場開設記念市」、木曽ヒノキは元落ちも
名古屋国有林材協同組合(梶浦好弘理事長)の原木市「土場開設記念市」が3日、木曽ヒノキ、タモなど230立方メートルの出品により開かれた。今回も郵送入札および木材展示場の入札箱への投函によって実施した。出品内訳は木曽森林管理署委託材が木曽ヒノキ約10立方メートル、組合員出品材がスギなど針葉樹約40立方メートル、タモなど広葉樹が180立方メートル。
ロシア産タモは新鮮材が入荷する時期で、質の良い丸太が出品されたことから買方の手当て意欲が高まり、多数の札が集まった。元落ちも少なく、20万円以上の大台を唱える材が多数出るなど好調な売れ行きをみせた。
木曽ヒノキは、木曽署委託材は完売したが、組合員出品材は出品量が少なく欠点もみられため、元落ちが目立った。
主な出来値は木曽署出品の木曽ヒノキが5メートル×44センチの立方メートル当たり48万9900円を筆頭に、径級40センチ以上の良材が34〜38万円、タモは5・8メートル×70センチ=写真=の41万5000円を筆頭に、20〜30万円台の高額材が多数出た。主流は19万円前後で、挽き材クラスも14万円前後と、平均単価が20万円を超える高値で落札された。ほか、スギが径級50センチ前後の良材で8〜10万円の好値で売れていた。
次回予定は5月25日の「緑化記念市」。
3月8日付
サプライチェーンの変革進む〜SCM支援事業の成果報告会 オンラインで
今年度林野庁補助事業として実施されている「低層建築物の効率的サプライチェーン構築支援事業」の成果報告会が3日、東京都内の主婦会館プラザエフで行われた。主催は日本木材総合情報センター(松本有幸理事長)。茨城、富山、岐阜など12地域のフォーラムがオンラインで参加し、それぞれの代表者が事業報告を行った。
冒頭、同センターの松本理事長が同事業の概況を説明。林野庁木材産業課の岡井芳樹林業・木材産業情報分析官が「各地で行われている木材サプライチェーンマネージメント事業が成果を挙げつつあり、今回報告される事業も先へつながっていく」とあいさつした。
続いて、NPO法人活木活木森ネットワークの遠藤日雄理事長が「木材サプライチェーンマネージメント(SCM)の先進的な事例報告」を題目に基調講演を行った。
遠藤理事長はコロナ禍に終始した昨年の林業・木材産業を振り返り「業界への影響は大きく、新設住宅着工戸数は81万5000戸に縮小した。半面、プレカット工場はパワービルダーの仕事を行っているところを中心に業績が大幅に上がった。また原木の市場入荷量は減少したが、価格は下がった。中国向けを中心とした丸太輸出はコロナショックで昨年初めに減少し、その後は回復している。米国向けのフェンス用スギ製材品も大幅に伸びている。国産材市場では実需に結びつく形でシステム販売が増加し、丸太はセリにかけられず工場へ直送されている」など、川上から川下の構造的な変化に触れた。
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3月4日付
材惣木材がセントレアに木製消毒スタンド175カ所設置〜県の支援事業活用、空港に温かみ
「あいち認証材」のヒノキを使用した手指消毒スタンド=写真=がこのほど、中部国際空港セントレア(愛知県常滑市)内の175カ所に設置された。愛知県の「県産木材利用創出事業」を活用して材惣木材梶i名古屋市中区錦、鈴木龍一郎社長)が企画・開発・設置したもので、製造は潟gーホー(岐阜県白川町、藤井実社長)が担当した。
同事業では新型コロナウイルス感染拡大に伴う「新たな生活様式」などで生まれた需要などに向けて、民間業者などが県産木材を利用した木材製品の開発および製品PR(実物展示)を行う取り組みを支援する。一定期間の展示の後、引き続き使用されることが支援の条件になっている。
消毒スタンドは踏み式で、サイズは高さ120×幅・奥行き各30センチ。子どもでも無理なく使える高さとしている。正面には消毒液であることが分かるイラストを表示。イラストは空港内の案内板などと同じデザインで統一し、設置場所を見つけやすいよう配慮している。側面には「あいち認証材」と材惣木材のロゴを表示しており、愛知県産材のPR効果も期待できる。
空港への搬入、設置は材惣木材の森林企画開発部門などからも人手を出し、2日かけて行った。愛知県産ヒノキの無垢材製品が配置されることで「空港に温かみが加わる」と空港関係者からも好評。
感染症の収束後も手指を消毒する習慣は残るとみられ、空港では長期間の使用を視野に入れている。今回のプロジェクトを担当した材惣木材国産材部の榎本晴樹氏は「世界から訪れる人々に愛知県産材を見てもらいたい」と話している。
3月1日付
【インタビュー】インターレックスJ/峯岸一也社長〜SPF材の安定供給は「公約」
SPFディメンションランバーの供給への不安が高まっている。最近の入荷減や価格の高騰により、日本のユーザーは頭を抱えている状態だ。なぜ、これほどまで入荷しないのか。価格が上がるのか。長く日本にカナダ産SPFディメンションランバーとOSBを供給している「インターレックス・フォレスト・プロダクツ・ジャパン・リミテッド」の峯岸一也社長に理由を尋ねるとともに、年15万立方メートルのディメンション材を供給し続ける同社のビジネスについて聞いた。(文中敬称略、文責編集部)
―入荷量の減少、価格の高騰の背景には何かあるのか
峯岸 まずは巨大市場である米国の住宅着工が極めて高い水準で推移していることがある。元々、米国の住宅着工は年150〜160万戸の潜在需要があると言われてきたが、最近は120万戸程度が続いた。昨年、コロナ禍にもかかわらず、住宅ローン金利の低さや好調な経済、山火事による住宅への被害など、さまざまな要因が重なって、季節調整済み年率換算で160万戸を上回る数値がみられるようになった。
当然、多くの木材製品が必要になる。丸太の供給はカナダBC州、米国西海岸ではすでに上限にあり、カナダアルバータ州はわずかに増量できても需要の伸びに追い付かない。期待されるのは米国南部のサザンイエローパインだが、今はコロナ禍の影響もあって生産量は増えない。大型投資が行われているので、いずれ増えると思うが、いつになるのかは分からない。
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2月25日付
出品減も堅調手当て〜岐阜銘協「梅まつり特市」売上げ1億円、2割増加
岐阜県銘木協同組合(岐阜市茶屋新田、吉田芳治理事長)は15〜16日、「梅まつり特別市」を開催。出品口数は製品2697口、原木406口で、製品は前年実績を下回った。原木はやや増えたが通常市に比べて少なく、内容もいまひとつだった。
参加者は延べ180人と少なかったが、セリは在庫補充ながら積極的に手当てする買方に支えられ、特に製品は堅実な売れ行きとなった。市場側は「参加者が少なかった分、材を必要とする買方が集まった」とみている。
一方、原木は選別買いに終始し、売れ行きは伸び悩んだ。
売上高は製品7300万円、原木2900万円、計1億200万円で、前年を2割以上も上回った。
製品は、2メートルトチ板が48万円を高値に20万円までの材が人気で売れ行き好調だった。ほか、ケヤキ8メートル丁物60万円、同8・5メートル板60万円、6メートル大黒柱45万円、ヒノキ9メートル丁物35万円などが平均単価を押し上げた。
ウォールナットは3・6メートル板に21万円の高値がついたが、全体的に買方は慎重姿勢で元落ちも散見された。
原木はトチ=写真=が立方メートル当たり63万円(5・4メートル×80センチ)を最高40〜55万円と引き続き人気だった。ケヤキは新材が少なく、同20万円前後の当用買いが続いた。スギ、ヒノキは出品が少なく、単価も伸び悩んだ。
次回市は3月15〜16日、全国銘木青年連合会が主催する「第39回銘青連・全国優良銘木展」が行われる。
2月22日付
愛知県産材活用して会議室を木質化〜西垣林業・名古屋、木の空間PJと協業で
西垣林業竃シ古屋本社(名古屋市瑞穂区桃園町、西垣雅史社長)は愛知県産スギ、ヒノキを用いた木材市場会議室の内装木質化リニューアルプロジェクトを進めている=写真。
地域材の普及啓発に取り組んでいる住生活環境研究所福田設計の福田啓次氏が代表を務める「木の空間づくりプロジェクト」と協業で行っており、愛知県の「木の香る都市(まち)づくり事業」に採択されている。
木質化は「桧と杉の音色合わせ」をコンセプトに、天井などを愛知県産スギ、ヒノキで木装し、壁は漆喰仕上げを施している。
今月13日には名古屋女子大学家政学部環境学科の学生が参加して漆喰と木による「森のけしき」をテーマとした壁画、ウォールアートのワークショップを開いて内装を彩った。
また完工後に会議室で使用する家具なども同学生らがデザインする予定で、女性と若者の目線で考えた「木の会議室」となる予定。
今月中の完工、3月3日の特別市および24日の「周年市」の際に、来場者に公開できるよう取り組んでいる。
2月18日付
盛況、ポプラ盤など人気〜平野木材の広葉樹市、積極買いで好値に
平野木材梶i岐阜県各務原市須衛町、平野健一社長)は12日、広葉樹市を開催。午前8時から丁物・半製品のセリを行った。「緊急事態宣言」発令下での開催だったが、手当て意欲のある買方が多数参加し、活発なセリが行われた。
出品量・種類とも多く、買方の手当て意欲は良好。高額材は少なかったが、好値でまんべんなく買われた。
主な出来値は、外の土場の材はケヤキ盤2・4メートル×80×7センチが6〜8万円、トチ盤2・3メートル×85×7センチが8〜12万円、パープルハート盤2・4メートル×100×8センチ3〜5万円、ゼブラ盤2・9メートル×95×7センチ10〜13万円、モビンギ盤2・4メートル×87×7センチ8万円前後。
倉庫内の良材はポプラ杢の盤(形が不規則でサイズ出せず)が24万円をはじめ20万円前後で人気だった。ほかクルミ盤4・4メートル×75×7センチが20万円をはじめ15万円前後、ブラックウォールナット盤は2・7メートル×95×7・5センチの24万円をはじめ20万円前後、パープルハート盤は2・3メートル×91×7センチが10万円前後。
なお、このほど同社に関東地方から大ケヤキが入荷。18日から2〜3日かけて、木挽き師の東出朝陽氏による解体を行う予定。見学自由。貴重な木挽きの技を見てほしいと呼び掛けている。
次回市は3月11日。開市は午前8時。
2月11日付
銘木市、出品減で売上げ低調〜東海相互・大口市場、売行きは良好、好値も
東海木材相互・大口市場(愛知県大口町、小森淳史市場長)は5日、「東海・銘木市」を開いた。出品量は素材2000立方メートル、製品5200立方メートル、売り上げは素材1億1700万円、製品6700万円、総額は前年比28%減の1億8400万円だった。平均単価は素材が立方メートル当たり6万3800円、製品が7万8900円、買い上げ者は266社。
年間で最も高級材を集荷する市だが、寺社関連の仕事が減少しているため、高額材の出品は控えられ、売りやすいグレードの良材を多く集めた。
売り上げが前年比で減少したのは出品量が少なかったためで、売れ行きは良好。ヒノキは6メートル×80センチの立方メートル当たり50万円を筆頭に20万円前後がよく売れた。スギは4メートル×70センチの17万円をはじめ、10万円前後の良材が買われた。マツの選木級の良材も高値で売れた。一般材も売りやすく、低質材が少なかったことで平均単価は前年を上回った。
相場は横ばい。主な出来値はヒノキ中玉3メートル×16〜18センチ柱取り1万7000円、土台取り4メートル×16〜18センチ1万7000円、長柱取り6メートル×16〜18センチ2万8000円。スギは3メートル×16〜18センチ柱取り1万2000円、4メートル×24〜28センチ1万4000円、4メートル×30センチ上1万4000円で、いずれも横ばいだった。
製品市は銘木類、盤、板類を前面に出した品ぞろえだったが、主に買いやすい額の材が売れたことで平均単価が低下。売り上げも前年を下回った。
次回特別市は3月12日を予定している。
2月8日付
全国的に2×4工法が苦戦〜東海2×4協の1月加工実績は66棟減
2×4住宅コンポーネント会社らで構成する東海2×4協議会(鎌田茂徳会長=大日本木材防腐梶A正会員13社)がまとめた1月の加工実績は、パネル加工235棟(1万1859坪)、定尺出荷6棟(213坪)、計241棟(1万2072坪)で、前年同月実績を66棟下回った。
前年同月比で約2割減。20年12月の新設住宅着工戸数でも2×4工法は18%減少するなど全国的に苦戦している。坪数が伸びないのは、賃貸物件の不振の影響が大きい。大手アパート建設企業が受注に苦しんでおり、パネルの受注も減少している。
さらに、SPFディメンション材の急激な高騰が経営を圧迫。供給自体も不安定で、アイテムをそろえるのが難しくなっている。ある会員は「苦しい状況だが、顧客に加工賃の上げを提案すると、在来工法への切り替えられてしまうため言い出せない」などと厳しさを訴えている。
2月1日付
単価伸びず前年下回る〜木曽官材「全市連製品展」売行きは良好
木曽官材市売協同組合(長野県上松町、勝野智明事長)は1月23日、新春初市「全市連国産材需要拡大製材品特別展示会」を天然木曽ヒノキ特選材をはじめとする135立方メートルの出品で開いた。67立方メートルが買われ、売り上げは1530万円、平均単価は22万8000円だった。
当日は感染防止対策や関東地方の大雪予想から来賓の出席を取りやめ、式典も簡素化して受賞者の発表のみを行った。
関東方面の買方が来場せず立ち会いは少なめだったが、手当て意欲のある買方が多く、セリは順調。板目盤の幅広材が人気で、柾目盤にはやや売りづらさがあったが、70万円までの天然木は売りやすかった。単価は伸びなかったが、売れ行きは良好で販売材積は前年並みを確保した。
ただ平均単価が下がった分、売り上げは前年を35%下回った。
主な出来値は天然木曽ヒノキ柾盤2メートル×14×7・5センチの立方メートル当たり170万円を筆頭に主流は60万円前後、板目盤は2メートル×40×4・8センチの130万円を最高に主流は60万円前後だった。
受賞者は次のとおり。
▼林野庁長官賞=鰹泱木材「天然木曽ヒノキ板盤」▼長野県知事賞=のむら木材梶uマル高マル国木曽ひのき鴨居一式」▼中部森林管理局長賞=池田木材梶uマル高マル国木曽ひのき板盤一式」▼全市連会長賞=活苡縺u天然木曽ヒノキ柾平一式」▼長野県木連理事長賞=志水林業製材「天然木曽ヒノキ節板一式」
1月28日付
全般に売りやすさ、良材には好値も〜鈴鹿木材「開設16周年市」、売上げ増加
鈴鹿木材梶i三重県鈴鹿市徳居町、森啓介社長)は16日、「徳居市場開設16周年記念市」をヒノキ・スギを主体とする素材と製品約4500立方メートルの出品で開いた。集荷には厳しさも残ったが、出品量はほぼ前年並みを確保。買方の手当て意欲は良好で、売りやすい展開となった。
ヒノキ、スギとも売りやすく、一般材は欠点がなければ順調に買われた。高級材を扱う業者も複数来場し、良材が好値でセリ落とされるなど、まんべんなく手当てされた。
全国的な原木の品薄を背景に、品薄高の傾向が強かったが、川下の需要が不透明なことから単価は明確な上昇でなく、小強い状況だった。それでも平均単価が上昇した分、売り上げは9500万円と前年をやや上回った。
単価はヒノキ、スギともに強保合。主な出来値はヒノキが尺上の元玉良材4〜7万円、並材は4メートル中目2万〜2万4000円、3メートル柱取り1万8000円前後。スギは選木クラスが3〜5万円、4メートル×22〜24センチ1万2000〜1万5000円、4メートル中目1万2000〜1万6000円、並材は1万〜1万2000円だった。
次回特市は2月26日の「新春特別市」。
1月25日付
森林・木材の現況を討論〜大阪府木連の新春懇談会、万博に木材活用訴える
一般社団法人大阪府木材連合会(府木連、津田潮会長)は14日、「新春懇談会」を開いた。津田会長、識者らが木材や林業についてディスカッションなどを行ったもので、新型コロナウイルス感染拡大に配慮し、オンラインで配信された。
参加者は津田会長=写真、今村祐嗣氏(京都大学名誉教授)、川井秀一氏(同)、古民家再生を手掛けるカール・ベンクス氏、畠山重篤氏(NPО法人森は海の恋人代表)、ショーン・ローラー氏(カナダ林産業審議会日本代表)、およびゲストのジョン・ギャスライト氏(NPО法人ツリークライミングジャパン理事長)。
津田会長の新年あいさつの後、府木連の2021年の活動予定を紹介した。2025年開催の大阪・関西万博へ向けて「木造パビリオンの建設」、「木造による太陽の塔建設」などを提言していくほか都市木造化の推進などに努めるとした。
次に参加者のスピーチへ移り、ショーン・ローラー氏はカナダの高層木造建築物の事情について述べた。大断面集成材、CLT、NTLなどを使用したマス・ティンバーでの建築技術の発達が著しいことから、カナダでは昨年、建築基準が見直され、一部の例外を除いて6階建てまで可能だった木造建築物が、18階建てにまで拡大されたと報告した。
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1月21日付
ケヤキ丸太、立方メートル当たり100万円〜岐阜銘協「新春特別市」、売上げ前年上回る
岐阜県銘木協同組合(岐阜市茶屋新田、吉田芳治理事長)は14〜15日、「新春特別市」を開いた。14日付で岐阜県などが「緊急事態宣言」の対象地域に追加された影響が心配されたが東北、関西、日本海側などからも買方が訪れ延べ210人が参加して初市のにぎわいをみせた。売り上げは製品5782万円、原木5339万円、計1億1121万円。ともに前年実績を上回った。
最近の降雪と相場の冷え込みから原木の伐採・出品意欲の低下もみられるが、出品口数は原木531口、製品2411口で、原木は前年に比べてわずかに増加した。製品は300口減。主催者は「滋賀県産のケヤキ優良社木のほか、積極的な集材に努めた」としており、その結果が原木の出品増につながったとみられる。
製品で人気だったのはトチ、ナラ、外国産広葉樹の幅広板で、さまざまな樹種で杢の良い材に手当てが集中した。トチ盤(5メートル×60センチ)が60万円のほか、上杢の板が30〜50万円、ウォールナット3メートル板が35万円。ブビンガ板3メートルが35万円など、良材には好値がついた。需要がなかなか伸びない中で全般に当用買いの傾向だったが、10万円前後の板類への買気は強く、競い買いが目立った。
原木では滋賀県産材のケヤキが寺社向けとして立方メートル当たり100万円(8メートル×104センチ、8・9立方メートル、写真)、90万円(7メートル110センチ、8・7立方メートル)という高値で買われた。ほか立方メートル代で35万円前後の材が相次ぐなど活況を呈した。
トチは太材の出品が少なく、最高で立方メートル55万円(2・6メートル×86センチ)、他は45〜53万円だったが、手当ては相変わらず強気だった。
ほか、サクラ(3・4メートル)が27万円、カヤ(5・2メートル×70センチ、2・5立方メートル)が43万円など希少価値の高い材は好値で買われた。
次回は2月15〜16日に「梅まつり特別市」が行われる。
1月14日付
主伐、再造林徹底など提言〜JAPICが林野庁長官へ、働き方改革、林業DXなども
一般社団法人日本プロジェクト産業協議会(JAPIC、進藤孝生会長=日本製鉄渇長)は昨年12月22日、「JAPIC政策提言『伐って、使って、植える』循環型産業の実現に向けて」を林野庁の本郷浩二長官に手渡した。提言は2009年に発足したJAPIC内の森林再生事業化委員会(酒井秀夫委員長=東京大学名誉教授)が、「次世代林業モデル」の実現に向けて産業界の力を結集して取りまとめた。21年度に森林・林業基本計画の見直しが行われることに合わせて、5〜10年後、さらにそれ以降をも見据えた中長期の課題への対策が盛り込まれている=写真向かって右から4番目が本郷長官、5番目が酒井委員長。
同提言ではまず「林業の成長産業化推進」として、主伐促進とその後の確実な再造林、そのための苗木供給などの体制の整備に資する政策が要望された。次いで「多様な生活スタイルと林業の両立」として林業従事者が多様な生活スタイルを送れる環境の整備や、林業の「働き方改革」を後押しする施策の推進が求められた。
次に「林業DX(デジタルトランスフォーメーション)への変革」として機械化や情報システム化の推進のためのサイバー空間の構築など、「林業イノベーション」に向けた施策を要望した。
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1月11日付
2020年加工実績、棟数1割超の減少〜東海2×4協議会、貸家不振など影響
2×4住宅コンポーネント会社らで構成している東海2×4協議会(鎌田茂徳会長=大日本木材防腐梶A正会員13社)がまとめた2020年12月の加工実績はパネル加工266棟(1万4414坪)、定尺出荷が18棟(627坪)、計284棟(1万5041坪)で、前年同月実績を45棟下回った。
20年1〜12月の累計はパネル加工3126棟(16万1850坪)、定尺164棟(6201坪)、計3290棟(16万8051坪)で、前年比324棟減。
昨年秋ごろに下がりかけたSPF材の価格が再び上昇している。現地では日本向けの供給量が少なく、しばらく値下がりは期待できない状況で、パネル工場の経営を圧迫している。さらに供給不足から必要なアイテムをそろえられない事例も出ており、特に2×10材は入手が難しくなってきている。
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1月7日付 新年特別新聞 ナンバー2
情報共有、連携強化を〜中部需給情報連絡協議会〜安定供給体制構築へ
中部地域の森林、林業、木材業、行政関係者と学識経験者で構成する「中部地区需給情報連絡協議会」(鈴木和雄会長)は昨年12月23日、「2020年度第2回会議」を名古屋市中村区のキャッスルプラザで開いた=写真。冒頭、鈴木会長はあいさつの中で「資材は供給が安定していなければならない」と述べ、国産材の安定供給体制の構築を呼び掛けた。
まず林野庁林業・木材産業情報分析官の岡井芳樹氏が林野関係予算について、21年度の概算決定額が3033億円、20年度第3次補正が1555億円、計4588億円で、20年度当初より52・6%増加したと報告した。
需給動向の報告では製材向け国産丸太の入荷量が前年比10〜15%減で推移し、秋以降は回復傾向にあること、輸入木材の入荷が丸太・製品とも2割ほど縮小しており、特に米材丸太の入荷量が20年1〜10月実績で前年同期比24・9%減であることが紹介された。
これを受けて愛知県木材組合連合会の西垣洋一会長が、米材の高騰と品薄の原因に「米国の住宅着工件数の急増」、「虫害による供給力低下」、「感染症から回復した中国の強い購買力」を挙げた。さらに欧州材も高く買う米国や中国へ流れており「日本は外材を買うことが難しくなっている」(西垣会長)として国産材への転換が急務と述べた。
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1月4日付 新年特別新聞 ナンバー1
【新春対談】林野庁長官・本郷浩二氏 × 大阪府木材連合会会長・津田潮氏
新型コロナウイルス感染症に明け暮れた2020年だった。感染拡大によって「新しい生活様式」が推奨され、仕事のやり方まで大きな変化を遂げている。その中で迎えた2021年はどのような年になるのか。本紙では新年特別新聞の発刊に当たり、本郷浩二林野庁長官と、2025年に大阪で開催される「OSAKA・Expo(大阪・関西万博)」に向けて積極的な木材利用の提言を行っている一般社団法人大阪府木材連合会の津田潮会長との新春対談を企画した。テーマは「資源としての木材利用拡大をどう実現するか」。
特に近年、全国の都市部で活発な「都市の木造化・木質化」について、さまざまな意見が交わされたほか、「資源としての木材」がいかに環境に適したものであり、盛んに言われる「SDGs」の達成に多大な貢献をするとして話が弾んだ。
菅義偉首相は20年10月、2050年の温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると宣言した。国と地方で「脱炭素実現会議(仮称)」を設け、21年6月をめどに工程表を取りまとめ、政府の「骨太方針」に反映させる予定だ。酸素を排出し、炭素を蓄積する木材の利用は持続的発展、地球温暖化防止など環境負荷の低減に貢献することが、これまで以上に社会にアピールされることになりそうだ。
対談では木材利用の拡大に向けた枠組みづくりだけでなく、山での植林と育林の大切さなどが語られた。新たな国産材時代に向けて川上、川下の両方でさまざまな取り組みを進めることの重要性が改めて感じられた。
対談は林野庁長官室で収録。司会は本紙橋爪良和。(文中敬称略、文責編集部)
―資源としての木材利用の道を探る上で、最近、特に都市の木造化・木質化への動きが盛んになっています。現在の状況について、どう思いますか
本郷 木材が使われているのはやはり建築物が多く、その中でも住宅に使われる量が一番多いですが、残念なことに日本の人口は今後、減少することが確実視されており、これは避けられません。また現在の住宅ストックに空家が多いことなどを考えると、これから住宅は、たくさんは建たないだろうということです。
こうなると先人の方々が一生懸命に育て、守ってこられた木材資源の行き先が失われてしまうのではないでしょうか。やはり何か需要を創生しないといけません。
その出口の一つが、都市の木造化・木質化への取り組みだと思います。住宅以外の建築物にもっと木材を使ってもらうことが、解決策の一つとして挙げられています。それをどういう切り口で進めていくのかということですが、今話したことを消費者あるいは施主の方々に伝えても、それだけではすぐに建ててはもらえないでしょうから、世の中の木材の需要につながるような工夫、言い方が必要でしょう。例えば「木に囲まれて過ごすと健康になる」、「リラックスできる」、「生産性が向上する」、「学校や仕事を休む人が減る」などですね。
さらに「脱炭素社会」という視点からも、木材はCO2を貯蔵する資材であり、製品の生産過程でも環境負荷の少ない資材ということをアピールすることが必要だと思います。これによりで木造化・木質化を進めることに役立つでしょう。
―非住宅の木造建築物は着実に増えていますが、木材利用拡大の面で、さらなる拡大が必要です。その課題や問題点は何だと思いますか
本郷 技術的な問題が解決されていなかったという点はあるでしょうが、策を打ち出すのが少し遅かったようですね。都内でも東京オリンピック・パラリンピックを契機に、ビルがどんどん建っていますが、それらが建つ前に木造化・木質化の働き掛けを進めないといけなかったということです。
日本の人口はこれから減っていこうとしています。しかし商業活動は今後も続きますから、ビルの需要は増えていくでしょう。大きなビルでなくてもいいので、銀座にたくさん建っているような、あの程度の高さのビルを目標にして建物の木造化・木質化の事例が増えていけばいいのではないでしょうか。
これまで郊外にあったような建築物をコンパクトシティのような形で、都市部など人が多く住む地域にどうやって根づかせていけるのか、こういった建築需要がこれから出てくると思います。ただ繰り返しますが現在、建設されている建築物に、もっと木材がたくさん使われていたらと思うと、少し立ち上がりが遅かったかなという気がします。
―大都市である大阪府木材連合会の会長として、都市の木造化・木質化や木材需要の拡大について、どうお考えでしょうか
津田 本郷長官がおっしゃるように、これから日本の人口が減っていくことは避けられないでしょう。しかし木材は再生可能な循環資源であり、また地球温暖化を防ぐための「脱炭素社会」に向けて森林の育成・保護はとても大切です。そのために木材の利用拡大を図ることは大きな意義があります。今後は都市の木造化・木質化をさらに推進していくべきだと考えています。
その点、2010年に施行された「公共建築物木材利用促進法」はとても効果的な法律です。公共・民間を問わず木造化への流れをつけていただいたと思っています。
ただ、カナダでは18階建ての木造建築物が象徴のように建っており、欧州でも高層の木造建築物が多数見られますが、日本では床面積1000平方メートル以上になると耐火基準が関係してくるため、木造ビルはあまり増えていません。今後、これをどうするかが課題でしょうね。
公共建築物は床面積が1000平方メートル以上になる場合が多いので、これをRC造と木造の混構造にするなど、木造だけにこだわらずに木材利用を増やすという方法もあるでしょう。
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